県政だより 新時代おおいた 2020年11,12月 No.133 P.6 より抜粋
合同会社新栄丸代表社員宮本新一さんに話を伺いました
○カキ養殖のきっかけ
カキは、赤潮の原因となるプランクトンを食べ、海の環境を整えてくれます。ここで赤潮を抑えることができれば、被害拡大を食い止めることが期待できます。カキ養殖は人が餌を与える必要もなく、半年で成長し出荷できることから、非常にエコな養殖といえます。
○カキ養殖で工夫したこと
従来のような塊状のカキ種苗を垂下する養殖ではなく、単体のカキ種苗を育成バスケットに入れて養殖する手法を導入しました。バスケットで養殖するため、見栄えが良く、生食用にも適した濃厚で美味しいカキが育ちます。養殖用のプラスチック資材が流出せず、環境にやさしい養殖方法であるうえ、船の動力を使うことで、短時間でバスケットを反転させることができ、定期的に天日干しをすることにより、汚れの付着を防止できます。この、バスケットを反転させる手法は日本で初めての導入で、さらにサイズの選別など養殖工程の機械化も行い、労働時間の大幅な短縮を図っています。また、これまで産業廃棄物として処分していたカキ殻を粉砕して農家で有機肥料として使ってもらっています。
〇今後の目標
佐伯市が高品質なカキの生産地となることを目標に立ち上げた「佐伯市シングルシード養殖協議会」の代表をつとめています。カキ養殖の技術習得の場や機械設備などを会員が利用できる場を提供し、働き方改革の提案もしていきます。最終的には、ここ大入島に若い漁業後継者が育ってくれることを願っています。