各地の漁業者が研究・実践活動を発表する全国青年・女性漁業者交流大会で、大分県代表の「佐伯市シングルシード養殖協議会」(宮本新一代表)が最高賞の農林水産大臣賞に選ばれた。省力化などを図れる新たな育て方が「カキ養殖の概念を変えた」と評価された。
宮本代表(42)は赤潮に負けない漁業を模索して2007年からカキ養殖を同市大入島で始めた。19年に協議会を設立し、かごの中にカキを入れ海面に浮かべて育てる「シングルシード方式」に挑戦。併せて美しく均一な大きさにするため、かごを機械で回転させる「フリップファームシステム」を日本で初めて導入した。
ロープにカキを固定して海中に沈める垂下式と比べて、ごみなどが付きにくいため生産性が向上し、重労働も改善した。
カキの水質浄化能力を利用した赤潮の抑制や、殻を肥料にする資源循環の取り組みにも参画している。
関係者が3月30日、県庁を訪れて受賞を報告した。宮本代表は「若い人に漁業の魅力が伝わるよう、漁師の働き方改革を進めてきた。佐伯のカキ養殖を次の世代に引き継いでいきたい」とあいさつ。広瀬勝貞知事は「県漁業に光を与える活動。これからも励んでほしい」とたたえた。
同大会は全国漁業協同組合連合会が主催し「漁業者の甲子園」とも呼ばれている。昨年度は3月2日に東京都であった。県代表の最高賞は08年度以来。
2021.04.05 大分合同新聞
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