大分合同新聞 朝刊 2019.02.27 掲載記事全文

大入島のカキ “海面で育てる” 漁師の宮本さん 新ブランド

 

佐伯市大入島の漁師宮本信一さん(40)が養殖マガキの新ブランド「アイランドオイスター」をつくった。海面に浮かべたバスケット(籠)で稚貝を育てる方式を導入。今季は6万個の出荷を見込み、関東圏への売り込みに力を入れている。

 5年ほど前から大入島沖を拠点にイワガキやマガキを養殖してきた。首都圏のオイスターバーなどで需要が高まる一方、成育に時間がかかり生産拡大が課題となっていた。広島県や宮城県など全国の産地を視察し、オーストラリア発祥の方式に行き着いた。


 この方式はフロート(浮き)につないだバスケットで養殖。海面近くは餌となるプランクトンが豊富なことに加え、波で殻同士がぶつかり合って殻の成長を遅らせ、身に栄養が集まりやすくなる。半年程度で出荷が可能で、殻にフジツボなどが付着しにくいというメリットもあるという。


 種苗は生食向きのシングルシード(一粒カキ)。1粒60~90グラムと中津市の「ひがた美人」より一回り大きいという。価格は1キロ2千円ほどと、従来の2倍での取引を想定している。


 新ブランドの立ち上げに伴い、地域おこし協力隊(鶴見地域担当)の石井淳也さん(29)も鶴見沖で同方式の養殖を始めた。今季は2人合わせて6万個の出荷を見込み、東京・豊洲市場などへ売り込みを始めた。

 今後、大入島に人工種苗センターを整備する計画もあり、2021年には100万個の出荷を目指す。市内では、宮本さんが経営する葛港のカキ小屋「シマノカキシンエイマル」で提供している。宮本さんは「新規就業者の指導にも取り組み、佐伯を県内一の産地に押し上げたい」と意気込んでいる。

 

 

※この記事は、2月27日大分合同新聞朝刊18ページに掲載されています。